第42回労働安全衛生学校を開催
高知県立精神保健福祉センター・山﨑正雄所長が講演
5月21日(土)、高知会館にて第42回労働安全衛生学校がNPO法人高知県労働安全衛生センター・連合高知・一般社団法人高知県労働者福祉協議会の共催で開催され、労働団体・労働者自主福祉事業団体などから70名が参加しました。
◇「職場のストレスチェックについて」
今回のテーマは「職場のストレスチェックについて」、サブテーマを「その内容と今後の課題は」にて、講師に高知県立精神保健福祉センター・山﨑正雄所長の講演がありました。 労働安全衛生学校の冒頭、共催団体を代表して折田晃一高知県労福協会長のあいさつがあり、続いて浜田嘉彦高知県労働安全衛生センター専務理事の司会で講演に入りました。
◇「その内容と今後の課題は」
職場のメンタルヘルスは、なぜ重要になってきたか? 一番大きいのが職場環境の変化(ひとり一人の仕事量の増加・能力主義の拡大)で、家庭問題の複雑化(高齢化と少子化)、社会の変化(バブル崩壊以降の不況、不景気、貧困問題)で始まりました。
心の問題の多様化では、ストレスとメンタルヘルスの関係についてわかりやすく説明があり、メンタルヘルスが心の病気という風に言われますが、実際は体の病気で出てくることが多く、心の病気、ストレスによってメンタルヘルスの状態となる、との話がありました。
続いてストレスチェック制度では、2015年12月労働安全衛生法の施行により、2016年4月から制度が始まっており、2016年11月30日までに第1回を実施するよう義務付けられている。
目的は何か? 労働者が働く毎日の中で、自身のストレス状況に気づき、心の健康を守ることで、労働者のメンタル不調を未然に防ぐということであって、病気とかメンタルヘルスの不調を発見するということではない。
労働者が50名以上の事業所は実施が義務で、自己記入方式の質問票に記入します。記入した結果に基づきストレスチェック状況を実施者(産業医や保健師等)が所定の調査票にてチェックし、結果は本人に通知されます。実施者が一定以上のストレスと判断したとき、医師の面接等(秘密は厳守)を申出により受けることができます。
労働者が申出るか申出ないか、受けるか受けないかは本人の意思が尊重され、面接申出者は医師や保健師等と面接し、面接の結果、就業上の措置等が必要と判断すれば事業所に告げられ、就業上の措置等(事業者の義務)が講じられます。尚、労働者が申出たとき、申出ないときに不利益にならないことが明記されています。
通常の一般健康診断は事業者に通知されますが、ストレスチェックの調査結果については、本人の同意なく結果を事業者(社長、人事権を持つ者)等に提供してはならないと明記されています。 最後に講師よりストレスチェック制度で、産業医や保健師等と面談が出来ますが、専門職のカウンセリングよりも、身近な人「この人は私を理解してくれる」をつくること、身近な人が当たり前に受け止めてくれることが大切ですので、それを考えていただきたいと考え方を述べられ講演が終了しました。