「どうする日本の貧困問題!求められる地域の役割とは?」をテーマに
2017年度全国研究集会が開催されました。
2017年6月5日(月)~6日(火)、神奈川県横浜市「ワークピア横浜」で、全国47都道府県の地方労福協、事業団体、労働団体326名の参加で高知県労福協より5名が参加しました。
開催にあたって、中央労福協神津里季生会長、開催地の黒岩祐治神奈川県知事、開催地の神奈川県労福協の柏木教一男会長、の挨拶があり講演に入りました。
講演Ⅰ「社会の変化と生活困窮者自立支援」前内閣官房地方創生統括官 山崎史郎氏
山崎講師は、これまでの社会の変化を説明した上で、生活困窮者自立支援制度の実施状況について話があった。また、制度が出来たとしても完璧ということはなく、排除や縦割りなどの課題を孕んでおり、これらを直せるのは現場の声である。制度の立案、実施を担う行政と、現場を担う支援者が、人的ネットワークにより相互に交わり、「制度と現場の8の字サイクル」が回転することで、あらゆる制度は良くなっていくと話された。
講演Ⅱ「日本における子どもの貧困の現状と対策」放送大学 副学長 宮本みち子氏
宮本講師は、子どもの貧困が最近になって生じた問題ではなく、社会的要因、親子の関係性の変化、家族の態様の変化など複合的な関わりによって生じていると説明があった。
また、貧困状態は、子ども自身が逆境にぶつかったとき、乗り越えられるかどうかの力に大きく影響を与え、世代を超えて貧困が連鎖してしまっている現状を話された。
貧困家庭で育つ子どもたちや若者への社会保障の強化が必要であると強調された。
特別報告①「様々な協働によるフードバンク活動の推進」
認定NPO法人フードバンクふじのくに 事務局次長 鈴木和樹氏
「もったいない」をテーマに、わが国で大量に生じている食品廃棄物量や食品ロスなどの食料事情と、わが国が抱える貧困問題の現状を照らし合わせて、これからを社会的課題として捉えて活動するフードバンクふじのくにの利用状況や連携、実績などの活動が紹介された。
特別報告②「にこにこ食堂」の取り組み
~つながりを広め、すべての子どもの幸せをめざして~
にこにこ食堂の発足に至る経緯、行政や学校、マスコミへの働きかけ、また子どもまつりやクリスマス会など、実際の活動の様子が写真を添えて紹介された。
特別公演 生笑一座(いきわらいちざ)公演
「生きてさえいればいつか笑える日が来る」NPO法人抱撲理事長 奥田知志氏と生笑一座
奥田知志理事長が扮する座長の蛤牡蠣右衛門(はまぐりかきえもん)が、かつてホームレスを経験した座員の皆さんにインタビューする形式で公演が進められた。
「生きてさえいればいつか笑える日が来る」という言葉から「生笑一座」という名前が生まれた話は印象的であった。
公演の最後には会場全体を巻き込んで歌って踊るシーンがあり、会場全体が一体感に包まれて、2017年度の全国研修会は幕を閉じた。