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2022年度 高知県労福協研修会の報告

2022年度「高知県労福協研修会」および「こうち食支援ネット」合同研修会を開催しました!

1月21日(土)三翠園で、高知県労福協およびこうち食支援ネット合同研修会が開催され、35名が参加しました。

第1部 講演:グローバル化・気候変動に直面する「食」と「農」

講師:高知大学人文社会化学部教授 岩佐 和幸 氏

第2部 講演:ボランティア・NPOの魅力と必要性

講師:(社福)高知県社会福祉協議会地域支援グループ長(兼)

高知県ボランティア・NPOセンター所長 半田 雅典 氏

第1部講師の岩佐教授は、農業食料経済論、地域経済論、アジア経済論が専門でアジアの農業開発とアグリビジネスなどに造詣が深く、講演では、先ず食と農のグローバル化の全体像と背景について話され、現在の日本の食卓と世界との結びつきについて、食に係わるものが多くの輸入に頼っていることや生から加工品に至る多様な輸入体系があり、回転寿司を例にあげて和食が世界食で賄われている状況であること。また、農林水産物の総自由化体制、アグリビジネス資本のグローバル調達などの背景について説明を受けました。現在の安い輸入食料に依存することは、食費の低下となり労働者の賃金抑制さらに購買力の低下が日本経済の低迷に繋がっていくことで、食の格差や健康格差など食に表れる格差と貧困を生んでいる。他方、海外産地でもアグリビジネスの乱開発と社会的・環境的破壊から地球温暖化、動物由来感染症などの影響や食料危機などにも繋がっているとし、これからは、公正でローカルなつながり、生産者と消費者がお互い支え合う搾取や収奪のない公正な関係を目指すことが大事である。最後に、食とは単なるモノの消費ではなく、経済・社会・環境と結びついた行為であり、食べものを食べる消費者から、食の背景を意識した当事者に、食べ物の選択は生き方の選択であり日常の生活、足もとの地域から食の当事者として、個人・仲間と学習・行動してみようと締め括りました。

第2部講師の半田所長は、高知県ボランティア・NPOセンター開設から携わるなど、ボランティアのオーソリティであり、98高知豪雨の災害ボランティアセンターの立上げや東日本大震災をはじめとする県外の災害発生時にも被災地に赴くなど県内外の災害ボランティアセンターの運営に関わってきた経験の中からNPOとボランティアの魅力と必要性についてお話していただきました。ボランティア活動の魅力について、社会や誰かの役に立てて活動後の達成感、充実感を味わえ、様々な人たちの出会いで視野が広がるとし、新たな自分の再発見にも繋がるとのこと。現在、少子高齢化による人口減少で、家族・地域のつながりの弱まりなど地域力が低下するなかで、福祉をとりまく課題が山積しており、地域での支え合い等が必要とされているとの説明がありました。最後に、ボランティア活動は参加する福祉であり、自らすすんで参加し、実現しようするボランティア活動とみんなが「幸せ」を感じて、暮らせるようにする福祉が実現されることにつながる。自分に合ったボランティア活動を見つけて「高知の元気を応援しましょう」と多くの方々へのボランティア参加を呼びかけました。研修
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